はじめに
先日とあるフォーラム(講演会)に参加しました。
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以下、この日教わったことの内「薬物乱用」と「自傷行為」についてまとめましたのでご覧ください。
自殺者の現状
- 2020年、高校生の自殺が前年比2倍
- 全年代の自殺者は減っているが、学生の自殺は増え続けている
- コロナによる休校でも減らず
- 秋は自殺が少ない(文化祭や修学旅行など行事が多いため?)
薬物を使用する人の傾向
- 違法薬物 ... 一緒にやる仲間がいる
- 処方薬OD ... 通院している、医師とかかわりがある
- 市販薬OD ... 一人
→ 悩みを共有できる人がいない
薬物を使用する人の傾向と現況
- 大麻などの違法薬物使用者は男、市販薬のODは女が多い
- 違法薬物を使用する人は近年ほぼいなくなっている(取り締まり強化)
- 代わりに市販薬のODが増えている
- 理由としては「苦痛の緩和」が多い
→ ODを禁止するだけでは解決しない
自傷行為をする人の現況
- 自傷の経験がある中高生の割合 ... 10%
- ↑の内一週間以内に自傷した人 ... 17%
- 理由の上位は「不快な感情の軽減」(6割以上) 「自殺を意図したもの」 「周囲へのアピール」
- 自傷を周囲に隠している・知られていない人の割合 ... 96%
→ アピールが主目的ではない
自傷を周囲に知られている人といない人
- 傷の程度は同じだが、後者は自己肯定感低・うつ症状のリスク高・傷が悪化しやすい(治療が遅れたり足りなかったり)
→ 周囲が放置することも含めて自傷行為である
周りに相談できない理由
- 信頼できる大人がいない
- 信頼できそうな人はいるが、自分のために人の手を煩わせたくない
- 過去SOSを出したが、状況が変わらないor悪化した
自傷行為に至るまで
- 死や怪我と接する機会がない
- 小4までは家族、それ以降は学校が生活のすべて
→ 家族や学校以外の居場所、広い視野で物事を考えることがまだ難しい
- 最初の一回は自殺が目当てであることが多い
- 死ねなくても苦痛が緩和された
自傷すると
- 身体の痛みが鎮痛効果をもたらす
→ 脳内麻薬によるもの。大怪我や出産の際にも
- ほっとする(安堵感)、すーっとする(解放感)
→ 表情が穏やかになり、悩みを抱えているように見えなくなる
自傷行為のメリット
- 人の手を煩わせず、速やかに苦痛を軽減できる
→ ストレスを抱えた人が健康に支障をきたさない程度に自傷を続け、天寿を全うできたなら悪い行為とはいえない(飲酒や喫煙と同じという見方もできる)
自傷行為のデメリット
- 慣れやすく、エスカレートしやすい
- 一時しのぎであり、続けるごとに効き目が薄くなる
→ 何度も同じ場所を切ると痛みを感じにくくなる。切っても切らなくてもつらくなる
- 効き目がなくなった時、別の手段を取る
→ 飛び降り、首吊りによる自殺既遂者には傷が多かった
自身を傷つけること
- 皮膚を切る=つらい記憶も切ってなかったことにしようとする
→ 骨折に対して鎮痛剤だけ打つようなもの(折れた箇所を正しく繋ぎ、添え木を当てるなどしないと治らない)
生きるためだったのに何百倍も死が近づく
- リストカット経験者の10年以内の自殺既遂率は400~700倍
- 自殺の防御因子にして危険因子
- 短期的には救っても長期的には自殺リスク
- 両価性 ... 切りたい・切りたくない、死にたい・死にたくない
米国では
- 自殺未遂で入院した際、退院時に「自殺しない」という誓約書を書く
- 退院時に「自殺はもうしない(再企図はまったく考えていない)」と答えた人の内、1年以内に自殺した人の割合...43%
→ まったく考えていない=誰も頼らない、一人で解決しようとする
「親には内緒にして」
- 親の反応を恐れている
→ 過剰な反応:叱責・禁止・親の自責
→ 過小な反応:誰かの真似なんじゃないか・気をひこうとしてるんじゃないか
- 親も悩みを抱えている場合が多い
→ 親を一人にしない、支援機関につなぐ
困った子ではなく「困っている子」
- 困難と戦っているが故の行動。弱くない
- 悩みを打ち明けられるようになるのは3~5年後
- 人生で一番悲惨なことは「つらいことがある」ではなく「一人で苦しむこと」